ミュージシャンがライブ活動と同じくらい重要なことは、もちろん音源を作ることだと思います。
この創作活動がなかなか大変なんでしょうけど。
CDというメディアでリリースするにしても、その種類や包装方法などは知っておかなければならないなと思い、まとめてみました!
国内プレスと海外プレスの違いについて
まずCDをプレスする際に悩むのが、『国内プレスにするか、海外プレスにするか』について解説します。
「納期は海外プレスは遅くて、国内は早い」
…という定説をよく聞きますが、最近では納期に関してはそのプランによってはほとんど変わらない印象を受けます。
では、国内プレスと海外プレスでどんな違いがあるのかということについてですが、主なメリットについては次のとおりかなと。
国内プレスのメリット- 追加プレスがスムーズ
- 大量枚数のプレスだと安くなる(10,000枚からが分岐点と言われます)
- 価格が安い
- Made in Taiwanの表記がされる
- 追加プレスの際にデータの再入稿が必要なことが多い
- バルク
- スリムケース
- マキシケース
- ジュエルケース
- 紙ジャケット
- ゲートフォールド
- デジパック
- シルクプリント
- オフセットプリント
- シュリンク包装
- キャラメル包装
- OPP袋包装
国内プレスか海外プレスかは、このメリットの違いを参考にすればよいかと思います
CDのケースの種類について
また、CDのケースについても迷う時があります。
CDケースの種類ですが主に次のようなものがあげられます。
それぞれの特徴について以下に解説します。
バルクとは?
バルクとは、直訳すると“ばら積み”の意味です。
バルクでプレスを依頼すると、プレスしたCDやDVDが100枚ごとに個別フィルムで簡易包装して段ボールに積まれ納品されます。
ちなみにこのフィルムをはがす際に、CDにくっついてしまうことが多々ありますので注意が必要です。
簡易包装という点で価格を抑えることが可能になります。
スリムケースとは?
スリムケースとは背幅5mmの薄いプラスチックケースです。
ジャケットなどのフロントカードも同封できるのでCD-Rでのデモ音源を販売する際に多く使われているようなイメージですね。
マキシケースとは
マキシケースとは、背幅7mmのプラスチックケースです。
帯が必要な場合はマキシケースのほうがお勧めです!
ジュエルケースとは
一般的なプラスチック製のCDケースです(背幅は10mm)。
スリムケースとの違いはバックカード(バックインレイ)、帯(キャップ)があるかどうかですね!
紙ジャケットとは
アナログレコードでは紙ジャケが一般的でした。
ちょっとこだわりたい、周囲とは異なる仕様にしたいという場合にはおすすめです!
ちなみに、紙ジャケは“A式”と“E式”に分けられてそれぞれ仕様も異なります。
A式
チップボードと呼ばれるボール紙製の芯材に、表面、裏面から印刷された紙を貼り付けて作られた厚手のジャケットを指します。
E式
印刷された紙そのものを折り曲げ、貼り付けて作られた薄手のジャケットを指します。
ゲートフォールドとは?
ゲートフォールドとは、“観音開き”のことを言います。
開くと内側に写真や歌詞などが印刷されている豪華仕様のジャケットを“ゲートフォールド”と言います。
デジパックとは?
デジパック (Digipak) は、厚紙の台紙にプラスティック製のトレーを貼り付けるのが特徴です。
従来の規格に捉われることがないため、観音開き (gatefold) にできたり、より多くの歌詞カードや解説ブックレット、写真集を収納できるなどの利点があります。
造りも豪華ですが、その分“料金が高い”、“対応できる業者が限られている”…など課題もあります。
CDの盤面プリントについて
CDの盤面プリントですが、大きく分けて次の2種類あります。
以下に詳しく解説します。
シルクプリント
CD盤面印刷でのシルクプリントとは、1~4色の特色インクをCD盤面に直接印刷していく印刷方法です。
そのため、表面の仕上がりにテカり(段差)があり、美しいともいわれます。
ただ、写真やグラデーションなどの複雑なデザインの印刷には不向きなので、単色デザインや文字を強調したい場合には有効です。
オフセットプリント
“オフセットプリント”とは、フルカラー印刷のことを指します(CMYK)
オフセットプリントはシルクプリントと違い、写真や複雑な図形など細かいデザインを美しく印刷することができます。
CDの盤面にオフセット印刷を用いるときには、銀盤の上に一度白色の下地の印刷を行い盤面を白くしてから、その上にデザインを印刷することが多いようです。
ジャケットなどの印刷物について
バルクの場合は問題ないですが、それ以外の場合だとジャケットなどの印刷物も必要です。
ジャケットも2P(表・裏、ペラ)から4P(二ツ折)、6P(巻三ツ折)、などあり8P以降は中綴じ製本のスタイルが多くあります。
アセンブリ(包装)について
アセンブリ(包装)ですが、主に3種類あります。
以下に詳しく解説します。
シュリンク包装
ひも(ティアテープ)を引っ張って包装を破るタイプのものです。
市販されているCDケースでよく使われている包装です。
シュリンク包装を自分で行うのに必要な道具はこちらから!
キャラメル包装
ビニールを熱で圧縮させて包装してあるタイプのものです。
市販されているDVDケースはこのタイプが多いです。
OPP袋包装
OPP袋と言われるビニール袋にケースを入れるタイプの包装です。
キャラメル・シュリンク包装に比べると、ビニールはケースに密着していませんが、ケースのキズ防止などには十分に効果的です。
手売りや自分たちのサイトなどの通販などDIY流通を使用するならOPP袋による包装で問題ないですが、Amazonでの販売や流通業者に委託してのCDショップでの展開の場合はシュリンク包装、キャラメル包装でないと受け付けてくれない場合が多いようです。
OPP袋での包装を自分で行うのに必要な道具はこちらから!
まとめ
インディーズレーベルを運営していたとき、実際にCDの流通のためプレス業者を探してCDを制作していました。
現在では配信がメインになってきましたが、それでもやっぱり音楽CDの需要は0ではないと思います。
今回の記事の内容は、あくまでCDプレスを業者に依頼する際の最低限の知識のようなものなので、何かしらの参考になれば幸いです!