CDでもレコードでもなにかしらパッケージングされているときにある“シングル”とか“フルアルバム”とかってあるじゃないですか?
なんとなく、シングル:曲数少ない、アルバム:曲数たくさん…くらいな感じで考えてましたが、そこに“EP”だとか“ミニアルバム”だとか入ってくるともう大変!
さらに“両A面シングル”なんて言われた日には、何がAで何がBなのかもわかったもんじゃないと。
将来的にまたどんな形かは未定でも、音楽レーベルを一つ持っておきたいので、雑学として調べてみたのでここに記します!
Single
まずはSingle(シングル)から。
定義的なものとしては、1曲のみでもシングル扱いのようです。
これは配信が主流になってきたことからメインの1曲でリリースするアーティストが増えてきたこともあるのかなと。
アナログレコードでのシングルの扱い
アナログレコードにおいての“シングル”って直径7インチ(17cm)のシングル盤のことを指すとのこと。
ちなみにこのシングル盤、回転数から“45回転盤”とも呼ばれるみたい。
“ジュークボックス”で再生されることを想定して作られたため、回転用の中心の穴を大きく開けたものが主流でした。
その見た目のイメージから“ドーナツ盤”とも呼ばれていたそうです!
A面、B面について
アナログレコードのシングル盤の特徴としては、
- 表(A面)でメインの曲
- 裏(B面)でサブの曲
…それぞれ1曲ずつ収録してあること。
溝の加工によって違うけど5分~8分程度の曲が収録されていることがほとんどのようです。
よくある“両A面シングル”なんて表現は、このシングル盤を由来とするもので、
「どちらの曲もメインですよ!」
…の意味が込められているのだと解釈できます!
CDでのシングルの扱い
CD(Compact Disc:コンパクトディスク)でのシングルの話ね。
CDでシングルっていうと、昔は「CD SINGLE規格」(ジャケットにマークが記載されている)8cm盤が主流でした。
主に90年代に流通した企画のフォーマットなので、20代より若い世代はピンとこないかも。
その後、シングルでもいつのまにか12cm盤の「CD SINGLE規格」(ジャケットにマークが記載されている)に移行していった気がします。
最近はサカナクションが8cmシングルでCDをリリースしたようですが、もうこのサイズって主流じゃないようです。
8cmCDと12cmCDの収録曲の違い
もちろん盤そのものの大きさが違うので、収録されている時間も曲数も異なります。
8cm盤の最大収録時間は約22分程度、12cm盤は74分42秒。
収録曲数としては8cm盤は2曲、12cm盤は2~3曲(曲の長さによっては4曲収録する場合もあるようです)
なぜ8cmシングルは廃れたか?
8cmシングルがどうして廃れて行ったか…の理由については、
- 再生機器のトラブルが多いこと
- 製造コストの問題
- 販売店舗の陳列の問題
…などがあげられるようです。
商業的にも扱いづらいフォーマットだったってことかもしれませんね。
EP
SpotifyでもApple Musicでも表記されている“EP”って呼び方。
元々このEPって“Extended Play”の略称です。
EPの定義的なものは、4曲以上~6曲以内(各曲が10分以内/アルバム合計時間が30分以内)を指すようです(配信サービスの案内を参照)。
アナログレコードでのEPの扱い
そもそもアナログレコードにおいてEPって、シングル盤と同じ直径7インチ(17cm)のEP盤を指します。
回転数もシングル盤と同じ45回転(45rpm)です。
ただ、シングル盤との違いは、片面に2~3曲収録されていたということ。
だからシングル盤とは異なりEP盤ではA面、B面という扱いはされないんだなと思うんです。
CDでのEPの扱い
ではCDではどうでしょうかね?
一応、収録曲はシングル曲+カップリング曲数曲の1~3曲と捉えられるようです。
また、リリースされたEPのタイトルはシングル曲のタイトルであることが多いってのも特徴かなと。
あ、これはアナログレコードでも配信でもそうかも。
EPはスナップショット的な意味合いも強い
EPの扱いって元々はアーティストが現在作成している音楽のスナップショット的な意味合いも持つようです。
アルバムよりも制作コストを安くできる点でもバンド側、レコード会社側にメリットがあるようです。
ま、その分フルアルバムよりも安価で手に入るという意味では消費者側にもメリットはあるかもしれません。
ただ、SpotifyやApple Musicといったサブスク配信においては一つのパッケージングされた作品という意味合いのほうが強いかもしれませんね。
Mini Album(ミニアルバム)
海外でミニアルバムって“Mini LP”とも表現されるみたいです。
収録曲だけで言えば6曲前後の場合が多いようです。
どちらかといえば商業的な意図が強い?
調べていくと、ミニアルバムってアーティスト側の曲のパッケージングの意味合いだけでなく、売りだすレコード会社の商業的な意味合いが強いような気もします(私見ですが)。
- フルアルバムの購入に消極的な層をターゲットにできる
- フルアルバムをリリースする前のプロモーションやマーケティングも兼ねたリリース
…そんな意図や意味合いがあるのかなと。
BAD COMMUNICATIONはEPかシングルか?
ただ、B’zの『BAD COMMUNICATION』は3曲でもミニアルバムとして扱われたこともあるので、その定義はすっごく曖昧なのかもしれません。
ちなみに日本レコード協会ではシングル扱いだったみたいです。
この場合はアーティスト側の意向が強いかな?
Full Album(フルアルバム)
フルアルバムというフォーマットについてはわかりやすいかなと。
収録曲数としては8曲前後の場合が多いようですが、7曲以上の場合をフルアルバムとして扱うという意見もあります。
フルアルバムはそれだけで一つの作品
フルアルバムの場合、タイトルはアルバム独自の名称となっている場合が多いことから、
そのフルアルバムというフォーマット自体で一つの作品
という意味合いが強いかと。
イントロやアウトロが収録されているケースも多いのもそういう意味合いかなと思います。
アーティストは1曲目から聴いてほしい
だからこそ、制作するアーティスト側からすると、その曲順や曲のつなげ方などにもこだわりがあるため、1曲目のイントロからきちんと順番通り聴いてほしい…という気持ちがあるようです。
たぶんこれってアナログレコードやカセットテープのフォーマットでは、1曲ごとに頭出しができないから自然とできたことなのかなと。
CDや音楽配信が主流になって、1曲毎の視聴ができるようになったことの弊害とも言えるのかなと、個人的な意見ですが思うんです。
アナログレコードのその他のサイズや規格
ここでは、アナログレコードにおけるその他の様々なサイズについて解説します!
コンパクト盤
コンパクト盤と呼ばれるアナログレコードは、single盤・EP盤と同じ17インチ(17cm)になり、“17cm LP”とも呼ばれる規格です。
ただし回転数は33回転(1/3rpm)になります。
このsingle盤・EP盤よりも回転数を落としていることから、収録できる曲は多めになります。
しかしその分音質は低下してしまうようです。
回転数を落とし音質を犠牲にすることで収録曲数を多くするというまさに“苦肉の策”とも感じてしまう位置づけなのがこのコンパクト盤かなと。
曲数が多いし、安価だったということで結構流通したタイプのようです。
そういえば後々の音楽メディアのMDでも4倍録音があったなーと。
あ、MDの方は4倍でも音質劣化はなかったようですけどね。
LP盤
“Long Play”の略であるLP盤は、直径12インチ (30cm)で回転数は33回転(1/3rpm)の規格のアナログレコードになります。
収録時間は約30分で、CDのフルアルバムと同じ扱いになります。
12インチだから、一番大きいサイズの音楽パッケージングメディアになるでしょうね。
大量に保管するとなるとそれなりのスペースが必要になりますけど、それが逆にインテリアや雑貨的な要素を含むと見直されてるのではないでしょーか?
ちなみに78回転のものはSP(Standard Play)盤と呼ばれます。
シングル・EP・ミニアルバム・フルアルバムの違い(私見)
いろいろ言ってきましたが、リリースする側のアーティストやレーベル、レコード会社からすると…
- シングル:その曲単体での作品&フロントエンド商品
- EP:ある程度まとめた曲数で、フルアルバムのプロモーションも兼ねているもの
- ミニアルバム:シングル曲を含み、そのフォーマットだけで完結するコンパクトな作品
- フルアルバム:アーティストの作品&バックエンド商品
こんな感じかなと。
配信のようにデジタル商品になるとまた意味合いが変わるかもしれませんけどね。
まとめ
EPとかSingleとかのくくり方の違いって、アナログレコードの文化を引き継いでいるんだなと強く思いました。
音楽って文化を考えるにあたっては、やっぱりアナログレコードのことをしっかり知っておく必要があるのかもしれませんね!